クランク長の選び方

クランクの長さは、新しい自転車を購入する際に軽視されることが多く、マンバイクシステムの性能を十分に発揮するための重要な要素を無視していることになります。
 

自転車を選ぶとき、クランク長を軽視しがちです。人と自転車がシステムとして機能する際に決定的な影響を与える要素を無視してはいけません。短時間の走行時にはクランク長が与えるプラスとマイナスの要素を理解しにくいために、クランク長の選択はさして重要ではない、と考えがちです。

クランク長によってどのような違いが生まれるかを考えると、適切なクランク長の大切さが理解できます。

まず覚えておくべきなのは、クランク長はいくつかの要素に影響を受けるということです…身体測定値的観点、生理学的観点、走行目的などの要素で決まります。

身体測定値、は理解しやすいでしょう。下半身各部の長さ---腿、脚全体、足に関係します。軽視されがちなのが足です。これこそがクランク長に大きく影響する要素なのです。同じ脚長の2人が足の長さが大きく異なる場合、クランク長が変わってくる可能性があります。足の前傾角度によってヒザ下の長さが数ミリ単位で伸びたり縮んだりすることになります。その結果、多くの要素、特にヒザの動きに影響を与えるのです。

生理学的要素とは、ペダリングを行なう筋肉群の収縮の様子、つまり異なるペダリングリズムにおいてベストのパフォーマンスを発揮する能力を指します。短めのクランクが速いペダリングを可能にすることは明らかです。

走行目的とはどのようなパフォーマンスを発揮したいのか、ということを指します。たとえば180度のコーナーが連続するクリテリウムでは、減速と再加速を短時間の間になんども繰り返します。そのような場合、短めのクランクの方が再加速に有利です。競技によってはかなり短いクランクが要求される場合があります。固定ギアの自転車では、コーナリング中もペダリングをし続ける必要があります。カーブでの傾斜したポジションでもクランクが短ければ、ペダルと地面の接触を防ぐことができます。

これらの付帯的要素をいったん忘れて、身体測定値だけに基づいてクランク長を決定してみましょう。その際にもっとも大切な判断要素は「ヒザの中心」がペダリングの周回でどのような軌跡をとるか、という点です。ヒザの軌跡が作る縦方向の弧が、クランクが90度の位置でペダルを貫く垂直線の真上にあるほど、ペダルへのプッシュが効率的に行われます。もちろん、これを左右するのはクランク長だけではありません。ヒザの中心が描く弧が作る円の大きさと位置は、サドルの高さと後退の度合いが大きく影響します。

ペダリングは円運動であり、その唯一の基準は円の中心であることを覚えておいてください。だからクランク長はサドルとBB間の距離(サドル高)には影響を与えないのです。サドルとBB間の距離(サドル高)をクランク長に合わせて変化させるとヒザが描く弧の幅と位置が大きく変化してしまうのです。

 
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